空手史における「上段流し外受け」の進化の歴史は、私が、短期間和道流空手を習っていた時に、師匠から伺ったお話です。もっとも、和道流では、この受け方をごく普通に「上段受け」と呼んでいましたが。
で、その後、中国人の老師についたときに、老師から、髪を後ろに撫で付けるようにして受けるというイメージトレーニングを学びました。中国拳法でも、この受け技が同様の進化を遂げてたってことでしょうね。システマにも、これと同じイメージトレーニングが存在します。人間のする事に、それほど大きな違いは無いってことでしょう。
それはそれとして、今回は、小さな払い受けをお送りいたします。トンファーを回し打ちするようにして受ける「上段払い」は、組手や実戦では使えません。かと言って、最初から小さな技しか練習してないと、心が小さくなってしまうんですね。これは、最初についた日本人の老師が、そう仰ってました。
「まず、大きく大陸的な形で技を練る。そうする事によって、心も大きくなる。小さく技を使うのは、その後でいい。」
と言うのが、その老師の教えでした。猫足立ちなどでシッカリと脚力を鍛えた後で、トンファーの回し打ちをしっかりやり込んでおくと、空手・拳法用の腰が出来やすくなるという利点もあります。
この受け技は、一見、ボクシングのパリーと同じように見えます。確かに、共通する部分もあるんですが、脱力をボクシングよりも更に徹底させている点と丹田の動きをフルに活用している点が、ボクシングのそれと大きく異なります。軽く払っているように見えて、実は、かなり重い動きなんですね。こういうところは、古式の空手や拳法が、ボクシングとは決定的に違う点です。
そもそも、ボクシングには「練丹」の思想がありません。
今回は、以上です。
お疲れ様でした。<(_ _)>
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