(5:10~8:13)で紹介されている護身技術は、普段、持っている他人に対する思いやりは、捨てないと使えない技です。いざと言う時に、その思いやりを捨てて、冷酷になり切れるかどうかが、生死を分けるポイントです。目に指が届いたとして、思いっ切り指を眼窩に押し込むことが出来るか、耳に手が届いたとして、思いっ切り耳を引っ張る事が出来るかと言う問題です。

 特に女性には、難しいかも知れませんね。そこまで冷酷になり切れない場合が、ほとんどでしょうから。でも、やらないと殺されてしまったり、レイプされたりしてしまうんで、いざと言う時に体が動くようにするには、何度もその動きを練習しておく必要があります。何度も練習しておけば、追い詰められた時、動物としての防衛本能が働いて、相手を撃退できるでしょう。


 (9:16~10:20)腕の外側を斬らせて、相手を打突するのは、正解ですね。絶対に腕の内側を斬らせてはいけません。内側には、重要な腱や神経が通っているので、一生腕が使い物にならなくなる可能性が大だからです。

 もし、上着を脱ぐ時間的余裕があれば、上着を脱がれて腕に巻きつけられて、それでナイフによる攻撃を受け止めながら、相手を殴るなり、蹴るなりなさればいいでしょう。普段から武道の鍛錬などを通じて、それだけの攻撃力を身につけてらっしゃればという条件付きですが。


 いずれにしても、襲撃者と距離があるうちは、逃げた方が得策です。対決するのは、大きな賭けになるからです。あなたが勝つかも知れないし、襲撃者が勝って、あなたは殺されるかも知れません。素手で刃物の相手をするのなら、後者になる確率は、かなり高いです。

 しかし、状況的に逃げられない場合もあります。既に相手との距離が近づき過ぎている場合や守るべき人がいる場合が、そうです。

 そんな時は、戦うしかありません。殺されるかも知れませんが、全力を尽くして知恵深く戦えば、あなたが守るべき人も、あなた自身も、生き残る可能性が少し高くなります。

 田村さんも、(9:57~10:20)辺りで仰ってるように、やると決めたら、自分から腕の外側を斬らせるつもりで間合いに入って行った方が、得策です。中途半端が一番、いいけません。中途半端な位置で逃げようとすると、背中を刺されます。