最初の合気技は、サンチンの最初の動作を実戦に応用したモノです。敵が腕に力を入れて、こちらの腕を押さえてくれば、この形をすると、自然に合気が掛かって、相手の腰が浮きます。
もし、敵が、自分の腕に力を入れずに、ただ軽く押さえて来た場合は、この合気技はかかりません。その場合も、この動きをそのまま使って相手の両腕を掻き分けてから、敵の片腕、もしくは、両腕を掴んでバランスを崩しつつ、拳で突いたり、頭突きをかましたりして仕留めます。
合気技が通じないからと言って、合気技に固執する必要はありません。要は、敵を確実に仕留めればいいだけの話ですから。
この動きを合気技として使う場合も、掻き分け技として使う場合も、一番意識を置くべき個所は、手首ではなく、やはり肘なんですね。その点は、下の動画内で申し上げた通りです。
冒頭の動画の二番目の動きは、転掌の動きからの応用です。こちらの場合は、敵は腕に力を入れないと頭突きが出来ないので、合気技が、簡単にかかります。最初に、この技がキチンとかからなかったのは、私の弟子が、本気で私に頭突きをするつもりがなかったからです。本気で頭突きをするつもりがなければ、必然的に腕の力は抜けて、合気技は、掛からなくなります。
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合気技と言うのは、関節技も掛からない程、敵が必死で握って来た場合にだけ有効なのです。この動きも、型の中の動きだけを見たら、およそ使えそうもない動きにしか見えないんですが、こういう場合は、非常に有効な形です。
その方は、私よりも10㎝くらい長身の方だったんで、私が彼の両腕を掴んで、彼の胸や顎に向って頭突きを放つ動作をするのは、比較的簡単だったってのもあります。これが、私より身長が低い人だったら、彼も説明しにくかったでしょう。一番上の動画をご覧になるとお分かりの通り、私より20㎝以上身長が低い弟子が私の両腕を掴んで頭突きを放つのは、かなり容易です。
武道の世界では、必ずしも、長身であることが、いつも有利になるとは限らず、背の低い事が、いつも不利になるとは限らないんです。
そこで、低身長の利を活かした敵の頭突き技を封じるために、転掌のこの動きが役に立つというわけです。
因みに、大東流合気柔術風に言えば、最初の技は、「合気上げ」で、二番目の技は、「合気下げ」ってことになるんでしょうね。
空手と大東流合気柔術は、全く違う技術のように見えて、実は、共通している部分も、少なくないんです。合気に凝り過ぎてらっしゃる方には、そうは思えないかも知れませんが。
大東流合気柔術の有段者の方が、宇城憲治先生のセミナーに参加なさったそうです。その方は、その後、稽古仲間に、
「宇城先生は、ちゃんと『気』を使ってらっしゃる。空手なので、一度、気の流れを切ってから、もう一度、気を入れ直してる点だけが、大東流と違う点だ。」
と仰っていたそうです。
太極拳の套路や空手の型の中の動きは、一見実戦で使えそうもない動きに見えるかも知れませんが、実は、結構、有効な技術が含まれてるんです。
参考にして頂ければ、幸甚です。
※入門希望者、募集中:
上の動画の(0:24~0:26)に出て来る両掌を上につき上げた形から下に回して、前に突き出す形です。
私も、長年、この形を稽古して来ましたが、稽古する度に、
「こんな動き、一体、どういう場面でどう使うんだろう?」
とずっと疑問に思ってました。片腕でやるんなら、分かるんですよ。相手の突き腕を手刀で払い落として、掌で金的を打つ形だと解釈できますから。
でも、両腕でこれをやる状況を全く思いつかなかったんですね。
この私の長年の疑問に答えてくれたのは、中国で出会った八卦掌の人でした。これと全く同じ動きが、八卦掌に含まれてるんですね。意外なところで、沖縄剛柔流空手と八卦掌の共通点を見出しました。
で、その人は、一番最初の動画の中に見られる分解を教えてくれたんですね。最初にこれをやってもらった時は、目から鱗が落ちるような思いでした。
私も、長年、この形を稽古して来ましたが、稽古する度に、
「こんな動き、一体、どういう場面でどう使うんだろう?」
とずっと疑問に思ってました。片腕でやるんなら、分かるんですよ。相手の突き腕を手刀で払い落として、掌で金的を打つ形だと解釈できますから。
でも、両腕でこれをやる状況を全く思いつかなかったんですね。
この私の長年の疑問に答えてくれたのは、中国で出会った八卦掌の人でした。これと全く同じ動きが、八卦掌に含まれてるんですね。意外なところで、沖縄剛柔流空手と八卦掌の共通点を見出しました。
で、その人は、一番最初の動画の中に見られる分解を教えてくれたんですね。最初にこれをやってもらった時は、目から鱗が落ちるような思いでした。
その方は、私よりも10㎝くらい長身の方だったんで、私が彼の両腕を掴んで、彼の胸や顎に向って頭突きを放つ動作をするのは、比較的簡単だったってのもあります。これが、私より身長が低い人だったら、彼も説明しにくかったでしょう。一番上の動画をご覧になるとお分かりの通り、私より20㎝以上身長が低い弟子が私の両腕を掴んで頭突きを放つのは、かなり容易です。
武道の世界では、必ずしも、長身であることが、いつも有利になるとは限らず、背の低い事が、いつも不利になるとは限らないんです。
そこで、低身長の利を活かした敵の頭突き技を封じるために、転掌のこの動きが役に立つというわけです。
因みに、大東流合気柔術風に言えば、最初の技は、「合気上げ」で、二番目の技は、「合気下げ」ってことになるんでしょうね。
空手と大東流合気柔術は、全く違う技術のように見えて、実は、共通している部分も、少なくないんです。合気に凝り過ぎてらっしゃる方には、そうは思えないかも知れませんが。
大東流合気柔術の有段者の方が、宇城憲治先生のセミナーに参加なさったそうです。その方は、その後、稽古仲間に、
「宇城先生は、ちゃんと『気』を使ってらっしゃる。空手なので、一度、気の流れを切ってから、もう一度、気を入れ直してる点だけが、大東流と違う点だ。」
と仰っていたそうです。
太極拳の套路や空手の型の中の動きは、一見実戦で使えそうもない動きに見えるかも知れませんが、実は、結構、有効な技術が含まれてるんです。
参考にして頂ければ、幸甚です。
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