今日も、「合気道は実戦で使えるのか?」が人気記事になりました。えらく人気がありますね。そんなに、この問題が、気になられますか?(http://raymond007.blog.jp/archives/7044549.html)
まあ、この問題に関しては、
「合気道をやっても実戦では戦えないってのが 普通だけど、ごくたまーに別の武道やってた人で合気道歴が長い人の中には、強い人がいるよ。」
ってのが、私の答えです。簡単に言えばですね。
"Easier said than done"「言うは易く行うは難し」の中で、最後の方に、(http://raymond007.blog.jp/archives/18887536.html)
「もし、合気道だけしか稽古なさった事がないとすれば、道場での稽古とは別に、近しい稽古仲間の方々と実戦的な自由乱取りの研究と訓練をなさってたと思われます。合気道の形稽古だけで、特殊部隊の人をボッコボコにできるような実力を身に着ける事は、絶対に不可能ですから。」
って書きましたけど、これは、あくまで、もしあり得るとすればと言う仮定の話です。まあ、合気道だけしか経験したことがない人たち同士で組手の研究や訓練をいくらやっても、特殊部隊にいた田村忠嗣さんをボッコボコするのは、まず無理でしょうね。組手をしている合気道の流派もありますが、彼らのやってる組手を見ても、田村さんのお話に出て来る先生ほど、鮮やかには相手を倒してませんから。
この辺は、合気道と言う武術が持つ矛盾ですよね。合気道は、相手も傷つけず、自らも傷つかずに相手を制することが出来る平和の武道であると言うのが建前ですが、実戦で強い合気道の先生は、たいていの場合、合気道をやる前から、強いです。合気道をやったから、強いわけじゃないんですよね。植芝先生だって、塩田先生だって、柔道や銃剣術や剣道の経験者です。
合気道だけをやっても、路上で暴漢から身を守れるほどの強さを身に着ける事はできないし、路上で強い人は、合気道をやったから強いのではなく、別の武道の経験者なので暴漢に襲われても実戦力を発揮できると言うのが現実ですから、建前を元にした稽古内容と実戦的な現実が、全然マッチしてないんです。
もう、50年以上前の話になるんですけど、私、空手を辞めてから暫くして、合気道を始めました。で、夜、道場で合気道を稽古して、自転車で帰っている時に、路上で激しいケンカをしている集団を見たんですね。一瞬、止めようかとも思ったんですが、ケガしたくはないし、相手に大怪我を負わせるかも知れないと思ったので、そのまま通り過ぎました。
その時、そのケンカを見ながら、強く感じたのは、
「アッ、これは、合気道なんか通用しないな。」
と言う事です。もし、その時、そのケンカを止めに入ったとしても、習い覚えた空手や柔道の動きしか出て来なかったと思います。
前振りが、長くなってしまいました。本日、この記事を上げたのは、全く別の事をお話するためです。
合気道に「入り身投げ」と言う技があります。
ところが、私が通っていた道場に、首にかけた腕を真下に振って、思いっ切り私の頭を畳に叩きつけるヤツが、一人いたんですね。そいつにそういう投げ方をされる度に、かなり、ムカッときてましたね。
上の動画の(1:12)辺りの状態から、勢いをつけて相手を真下に叩きつけるんです。危ないでしょ、絶対。
こっちは、相手の稽古のために技にかかってやってるわけです。それに甘えて、自分の鬱憤を稽古で晴らしているような動きをするのは、あまりにヒド過ぎます。そうとしか、思えないんですよね。
「そっちがそう出るんなら、こっちも、最初から実戦の積りでやるよ。入り身投げなんか最初から、やらせんから。」
と言うセリフが、喉元まで出かかりましたが、グッと呑み込みました。それを言ったら、道場の雰囲気が一気に悪くなるのは、目に見えてましたから。
でも、コイツは、下手したら、技を受けてる方が、大怪我を負いかねない技の掛け方してたんです。社会人でしたけど、勤め口でストレスが溜まってたんじゃないですかね。コイツと当たる度に、八つ当たりされてるなとしか、感じなかったですから。
確かに、合気道でも、上級者になれば、この入り身投げも、激しくなります。
しかし、それでも、白川先生は、相手が受け身を取れるように配慮して、つまり、受けを取っている人の体を回すように投げてらっしゃいます。決して、相手の頭を真下に叩きつけるような危険な投げ方は、なさってません。これが、最低限のマナーですよ。
相手が受け身を取りにくいような、もしかしたら、大怪我をしかねないような投げ方をするもんじゃありません。あまりにも、非常識です。その頃の私は、まだ若く学生で、社会人に苦情は言いにくかったので、この大バカ者に、そんな無茶な投げ方をされる度に、ストレス溜まってましたね。
今なら、絶対、本人に苦情を言いますね。その場で言うのが憚られるのなら、稽古が終わって、その人を呼び出して、個人的に苦情を言います。それでも、その人が改めないのなら、指導をして下さってる先生に言います。
でも、あれですよね。よく考えたら、その人が、そういう無茶な投げ方をしているのを先生は、ちゃんと見てたわけで、それを注意しなかったのは、指導者である先生の責任ですよね。この記事書いてて、今、気づきました。ダメだ、これは!
そんな事もあったし、稽古後の路上でのケンカを見て感じた事もあったしで、結局、合気道の稽古は、二年くらいやってから止めてしまいました。それだけが道場を辞めた理由じゃないんですが。
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